【マクロスF】「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」オフィシャルライブレポートが到着!
『マクロスF(フロンティア)』の4年ぶりとなる単独ライブ「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」
千秋楽公演にはシークレットゲストの菅野よう子が登場!
4⽉29⽇(火・祝)に「マクロスF オールタイムベストアルバム『娘々グレイテスト☆ヒッツ︕』」をリリースし、2025年も、なお盛り上がりを⾒せるアニメ『マクロスF(フロンティア)』。
7⽉26⽇(⼟)、27⽇(⽇)にKアリーナ横浜(神奈川)で行われた4年ぶりとなる単独ライブ「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」のライブレポートが到着!
また、ライブ終演直後には本公演「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」のセットリストを網羅したプレイリストが公開!
ライブレポートとともに是非お楽しみいただきたい。
「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」オフィシャルライブレポート
2025年7月26日(土)、27日(日)の2日間にわたり、神奈川県横浜市のKアリーナ横浜にて、「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」が開催された。
『マクロスF』の単独ライブが開催されるのは、2021年11月以来4年振り。今回は歴代「マクロス」シリーズのライブの中でも最大規模となり、両日とも1万9千人の観客を動員。2人の歌姫、シェリル・ノーム starring May’nとランカ・リー=中島愛が、超満員の会場に歌声を響かせた。
演奏はバンマス&キーボードの西脇辰弥のもと、ギター・外園一馬、ベース・BOH、ドラム・佐野康夫、そしてストリングスの門脇大輔カルテットを加えた豪華編成。ステージセットも大規模で、なんとステージ上部にはYF-29 デュランダル 早乙女アルト機が。『劇場版マクロスF〜サヨナラノツバサ〜』でアルトが搭乗したこの機体が、今回のライブでは大活躍する。
大いに盛り上がった両日の模様を、2日目をメインにレポートする。
場内が暗く、ステージが神秘的な光に照らされた状態でライブはスタート。
水の音と重なった、ゆったりとした神秘的なイントロから1曲目「サクリファイス」の歌唱が始まり、シェリル・ノーム starring May’nの声が場内に響いているのだが、ステージ上には姿がない。よく見ると、うっすらとライトに照らされた先の客席上部右側のバルコニーに立つ人影が。まるで、この世界ではない場所からシェリルが歌っているような演出に観客は息を呑んだ。
そこからメインステージに現れたランカ・リー=中島愛が歌を引き継ぎ、曲のクライマックスでは2人が美しいハーモニーを奏でた。
2曲目の「時の迷宮」に入るとライトが灯り、ステージの全貌が明らかになり、観客は風化して壊れかけている巨大なYF-29の姿に驚くことに。ステージの奥には巨大なモニタースクリーンがあり、そこに『劇場短編マクロスF〜時の迷宮〜』に登場した古代遺跡「魂の井戸」が映し出される中、中島が情感たっぷりに「時の迷宮」を歌い上げていく。
ランカが眠り続けているシェリルに想いを馳せて歌う「時の迷宮」は、曲の後半にシェリルの「ダイアモンド クレバス」のフレーズが取り入れられており、そのパートになると、今度は客席上部左側のバルコニーにMay'nの姿がぼんやりと浮かぶ。
この2曲により、今回のライブは『劇場短編マクロスF〜時の迷宮〜』の物語を皮切りにステージの幕が上がった。
「時の迷宮」のアウトロでは風化したYF-29が光を纏い、徐々に本来の形を取り戻していき、そのままステージ上まで煙と炎を巻き上げて上昇するド派手な演出に大歓声が上がる。そしてYF-29がステージ上部に上がりきったところで大きな破裂音とともに3曲目「トライアングラー(fight on stage)」が流れ出し、でついにMay'nと中島愛がステージに揃い、ライブは一気に熱を帯びていく。
S.M.Sの戦艦マクロス・クォーターをバックに宇宙空間を飛ぶスカル小隊のバルキリーたちが映し出される中、「トライアングラー(fight on stage)」を熱唱する二人の歌姫。ステージライトが、シェリルパートではピンクに、ランカパートでは緑に輝き、2人をバックアップする。
続いてライブはシェリルのソロ曲のセクションへ。
「Welcome To My FanClub's Night!」、「What 'bout my star?」、「ノーザンクロス」、「射手座☆午後九時Don't be late」とアップテンポなナンバーを畳みかけていく。
2008年のTV放送終了直後から、17年の間に数え切れないほど歌われてきたシェリルの代表曲たち。その歌唱は磨き抜かれていて、キャリアを重ねてきた現在のMay'nの歌声でありつつ、アニメのシェリルが目の前にいるという感覚を、同時に味わわせてくれる。進化を続ける、2025年バージョンのシェリルといったパフォーマンスは圧巻そのもの。
バンドのアレンジも印象的で、「What 'bout my star?」は低音がドカドカ響く、よりダンス色の強いアレンジに。「ノーザンクロス」は1日目の「インフィニティ」に替えてのセットリスト入り。イントロとともに大歓声が湧き上がった。
「射手座☆午後九時Don't ne late」は、「Kアリーナ、私の歌を聴け!」と定番のセリフで観客を煽って曲がスタート。May'nは衣装の一部と帽子を軽快に脱ぎ捨て、パフォーマンスのギアをさらに上げていく。
ライブはひとつのピークを乗り越えて、ランカ・ソロ曲のセクションへ。
アリーナ左側の通路にスポットライトがあたり、そこにオレンジのドレスに衣装チェンジした中島愛が姿を見せ、「アイモ〜鳥のひと」をアカペラで歌い始めると客席がどよめき立った。途中から加わった演奏に乗せて歌い続けながら、アリーナ中央に設置されたセンターステージまで、観客の中を歩いていく。
次の曲はランカの日常をかわいらしく描いたミニマルな楽曲「ねこ日記」。そこから、サビで観客の大合唱が起こった「アナタノオト」、「みんな抱きしめて、銀河の果てまで」という決めゼリフで始まる大名曲「星間飛行」と、これぞランカ・リーといった楽曲が続く。
「星間飛行」ではYF-29の両翼にスピーカーポッドが浮かび上がり、アニメ本編とリンクする演出が施され、サビ冒頭の「キラッ☆」はで観客も声を合わせた。
また、1日目には、リン・ミンメイのカバー「私の彼はパイロット」がセレクトされ、往年の正統派アイドルソングを、80年代歌謡曲の大ファンでもある中島が振り付きでキュートに歌い上げた。
ランカ・ソロのセクション最後の曲は、TVアニメではデビュー前のランカがショッピングモールで歌ったシェリルの曲のカバー「What 'bout my star?@Formo」。中島のアカペラで始まり、2番になるとMay'nが登場。2人一緒に観客に手を振りながら、ハッピーな歌声を響かせた。
ここでようやく1回目のMCタイムに。2人は「Kアリーナ!」(May'n)、「横浜ー!」(中島)というコールから始め、素の自分に戻って、観客にこのライブを迎えた思いを語りかけていく。
中島が「2008年放送当時はまだ地球に生まれ落ちていなかった方はいますか?」と問いかけると、若い観客がそれに応答。また、May'nは「マクロスシリーズ最大規模、1万9千人の方に来ていただいています!」と、喜びを伝えた。
さらに、2日目の7月27日はアルトの誕生日。会場のみんなで「ハッピーバースデー、アルト!」と声を合わせ、それを祝福した。
MCを挟んで、続いては「デカルチャー歌合戦メドレー」。
これは今年4月にリリースされ大ヒットを記録した17年越しのオールタイムベストアルバム「娘々グレイテスト☆ヒッツ!」限定盤に特典として同梱されていたカバーソングCDを再現する企画。
シェリルとランカがカラオケボックスでアルトの誕生日を祝って、それぞれの持ち曲をカバーし合うというもので、「pink monsoon」「CMソングメドレー」「恋はドッグファイト」「ギラギラサマー(^ω^)ノ」を2人仲よく熱唱した。
ここからライブは後半戦に向かうのだが、そこで差し挟まれたのが、このライブの第三の主役と言っても過言ではないYF-29の地球降下シークエンスだ。
アルトが操縦するYF-29が大気圏突入し、地球極東アジア支部のヨコハマベース・Kアリーナ横浜ランウェイ(滑走路)に着陸するというもので、アルト(CV:中村悠一)と女性管制官とのやり取りが繰り広げられる中、YF-29が大気との摩擦によって真っ赤になりながら、大気圏に突入する様子などが観客の目の前で実演された。
今は遠く離れたところにいるはずのアルトが、Kアリーナ横浜のシェリルとランカに合流するという感動とともに、YF-29の大迫力の大気圏突入を実感できる圧巻の演出となった。
そして、後半戦はランカ、シェリルのしっとりとした2曲からスタート。1日目は「蒼のエーテル」と「妖精」が、2日目は「そうだよ。」と「永遠」がセレクトされた。
それに続いて、今度は劇場版でのライブシーンが印象的だった2曲、シェリルの「ユニバーサル・バニー」とランカの「虹いろ・クマクマ」が披露される。「ユニバーサル・バニー」では歯車、「虹いろ・クマクマ」ではメルヘンチックなお城と劇場版さながらの映像演出は劇場で見たライブシーンを懐かしく思い出したファンも多いはずだ。
その次に来た「オベリスク」は『劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜』のクライマックスで、シェリルが戦闘のさ中、ステージを飛び出し疾走しながら歌った、情熱的な楽曲。この日のライブではMay'nがアリーナの通路を全力疾走し、あのときのシェリルを彷彿させた。
中島はMay'nが作り上げた会場の熱気を受けて、『劇場版マクロスF〜サヨナラノツバサ〜』の戦闘シーンで使われた「放課後オーバーフロウ」を披露。客席に背を向けて、YF-29を見上げながら歌ったラスサビは劇場版のランカそのままの姿で、アルトへの強い想いを歌い上げた。
ライブ本編、ラストの2曲では、『劇場版マクロスF〜サヨナラノツバサ〜』のクライマックスの戦闘を再現する演出が。
「翼に風を!」(ランカ)、 「銀河に歌を!」(シェリル)という2人の掛け声から始まった「サヨナラノツバサ ~the end of triangle」、そして本編ラストとなる『マクロスF』を代表するナンバー「ライオン」と、どちらも激しい戦闘シーンをバックに、戦場での生死を賭けた歌声が響き渡って、会場のボルテージはレッドゾーンに到達する。
ここでもYF-29が大きな役割を果たし、アルトの戦闘を見つめ、それを支えながら熱唱するシェリルとランカの姿をKアリーナ横浜に甦らせた。
アンコールでは、客席から自然発生した「シェリル!ランカ!」のコールを受けて、2人が再びステージに登場。2日目はここで大きなサプライズがあった。
1日目にはなかったピアノ弾き語りによる「Prologue F」が流れ始め、メインステージ上部の光の柱の中からグランドピアノがせり上がってくる。演奏しているのは、『マクロスF』楽曲の作曲者・菅野よう子! その姿を目にした客席からは怒濤のような歓声が上がる。場内の空気が震え、壁や床が揺れるほどの大歓声だった。
まずはMay'nがピアノに寄り添って涙を流しながら「ダイアモンド クレバス」を、続いては中島が「Songbird」を歌唱。「Songbird」は終盤に自然と「愛・おぼえていますか」に移り変わっていって、再びピアノの脇に現れたMay'nとともに、『マクロスF』の歌姫2人が初代マクロスの往年の名曲を歌いつなぐと、会場は涙と大歓声に包まれた。
アンコールのラストはここに来て驚きの「娘々サービスメドレー」。菅野よう子はギターのようにストラップで肩から下げるショルダーキーボードに持ち替え、May'n、中島とともに客席の中のセンターステージへ。「ライオン」から始まり、「インフィニティ」、「私の彼はパイロット」、「ダイアモンド クレバス」、「星間飛行」、「What 'bout my star?」、「愛・おぼえていますか」、そして再び「ライオン」へと曲が繋がっていく「娘々サービスメドレー」を華々しく演奏していく。
最後はバンマスの西脇辰弥もショルダーキーボードを持って、ステージ前へ。ライブ本編ではMay'n&中島がシリアスな表情を崩さなかった「ライオン」がここでは笑顔で披露され、大歓声の中、グランドフィナーレとなった。
菅野よう子との15年ぶりの共演が実現し、「マクロスF ギャラクシーライブ」のファイナルにふさわしい2日目に対し、1日目のアンコールもふたりだけの格別な展開に。
まずはMay'nが「ダイアモンド クレバス」を、続いて中島が「ホシキラ」を歌い上げ、それぞれの代表的なバラードで、歌姫たちの物語を締めくくる。
それに続いたのは、『劇場版マクロスF〜サヨナラノツバサ〜』のエンディング曲で、2人のデュエットによる「dシュディスタb」と、これまたアッパーで明るい「Get it on ~光速クライmax」。
勢いのある2曲を歌い終え、幸福感に包まれてライブはエンディングを迎えることに。だが、「Get it on ~光速クライmax」を歌い終えたとき、なんと中島がステージに倒れ込んでしまうアクシデントが。
駆け寄るMay'nと心配そうに見つめる客席に、「もうすべてを出し尽くしましたー!」と笑顔を振りまくという一場面があった。
両日とも、そこからバンドメンバー紹介とMay'nと中島による最後の挨拶という流れに。バンドが挨拶を終えてステージを去ると、「SMS小隊の歌〜あの娘はエイリアン」のインストゥルメンタルに乗せて、2人はステージを右から左へと行進し、客席のみんなに手を振る。観客は「SMS小隊の歌〜あの娘はエイリアン」の合唱でそれに応え、3時間超のライブを成功させた歌姫をねぎらった。
そして最後に、それぞれに『マクロスF』への思いを語っていく2人。
May'nは、デビュー当時から「生きるために歌わない」と決めていた自分に、シェリルが「歌で生きるということ」を教えてくれたと語る。そして、これからも自分の音楽人生をかけてシェリルの歌を生かし続けていくことを、観客に誓った。
中島は、最初に入った事務所で「絶対にグループには入れない。あなたは絶対ソロ」と言われたという裏話を告白。歌手としてデビューできても、ひとりで歌うことを運命づけられていた。それが『マクロスF』と出会い、May'nと出会ったことで変わった。特にMay'nとの出会いは、自分の人生にとって一番のギフトだったと感謝の意を表した。
そんな2人が思い描くのは、『マクロスF』の作中の時代が現実でもやってくる2059年のライブ開催。
「ギャラクシーライブは今回がファイナルですが、私たちは2059年まで歌うと決めています!」
「これからも、私たちの歌を聴けー!」
そうして抱き合うふたりを、鳴りやまない拍手が包んだ。
2日目はさらに、シェリル、ランカに加えてアルトのイラストがスクリーンに大写しになり、「おめでとう、アルト」「ありがとう、みんな」というメッセージがそれに続いた。
アルトの誕生日にふさわしい、そしてアルトの帰還を予感させるような演出で、2日間にわたる壮大なステージが終幕した。
テキスト:鈴木隆詩
撮影:川島彩水、冨田味我、VictorNomoto
セットリスト
7.26(Sat.)
01.サクリファイス
02.時の迷宮
03.トライアングラー(fight on stage)
04.Welcome To My FanClub's Night!
05.What 'bout my star?
06.インフィニティ
07.射手座☆午後九時Don't be late
08.アイモ~鳥のひと
09.私の彼はパイロット
10.アナタノオト
11.星間飛行
12.What 'bout my star?@Formo
13.デカルチャー歌合戦メドレー
14.蒼のエーテル
15.妖精
16.ユニバーサル・バニー
17.虹いろ・クマクマ
18.オベリスク
19.放課後オーバーフロウ
20.サヨナラノツバサ ~the end of triangle
21.ライオン
<ENCORE>
22.ダイアモンド クレバス
23.ホシキラ
24.dシュディスタb
25.Get it on ~光速クライmax
7.27(Sun.)
01.サクリファイス
02.時の迷宮
03.トライアングラー(fight on stage)
04.Welcome To My FanClub's Night!
05.What 'bout my star?
06.ノーザンクロス
07.射手座☆午後九時Don't be late
08.アイモ~鳥のひと
09.ねこ日記
10.アナタノオト
11.星間飛行
12.What 'bout my star?@Formo
13.デカルチャー歌合戦メドレー
14.そうだよ。
15.永遠
16.ユニバーサル・バニー
17.虹いろ・クマクマ
18.オベリスク
19.放課後オーバーフロウ
20.サヨナラノツバサ ~the end of triangle
21.ライオン
<ENCORE>
22.ダイアモンド クレバス(Piano ver.) with 菅野よう子
23.Songbird(Piano ver.) with 菅野よう子
24.娘々サービスメドレー with 菅野よう子