続いて、東山奈央から、声優の大先輩である速水に「どうすればお芝居は上手になるのですか？」とストレートな質問がされた。悩みながらも速水は「（セリフの）語尾さえなんとかすれば、上手に聞こえるかもしれない」と答えた。「セリフは相手に掛ける（伝える）ものであり、語尾がまずいと相手に掛からない（伝わらない）、すると距離感も変わってきて、相手の反応も変わってくる」と解説。最後は「その状態をゴビ砂漠と言います」と会場を笑わせた。 東山も笑いつつも、「やってみます、ありがとうございます！」と大先輩のアドバイスを実践してみることを約束していた。さらに速水は「語尾がちゃんとするというのは、目線がちゃんと相手にいくということ、目が死ぬと言葉は死ぬ」と付け加え、来場者にも分かりやすいように解説をしてくれた。

　昨年、映画館で35mmフィルム上映された際、東山がプライベートで鑑賞していたことに触れ、4Kリマスターとの比較ができるだろうと出演をオファーした理由を司会が明かすと、東山は「4Kリマスターという言葉に馴染みがないが、フィルムを最新技術で再撮影したもの、フィルムのポテンシャルを最大限に引き出したもの」と解説しつつ、「35mmフィルムは、独特のレトロな色味だったり、ノイズ音だったりと当時の重みを感じ最高でしたが、4Kリマスターは、色がとてもクリアで赤や黄色の原色が光って見え、街並みがよりポップに感じました。」と。速水からは、「僕も４Kリマスター化したい。」との要望が上がり、会場が笑いに包まれた。

　そして速水は「アフレコの時はこの綺麗な画は全くなく、赤線と黒波線、青線とかで指示がされているだけだった。」と思い出を語ってくれた。東山が「その状態でアフレコしたことはないです。」と驚くと、「幸せですね。」と速水。さらに「アフレコは数日行われ、ゼントラーディ語のみの収録日もあり、その日の参加者はゼントラーディ語を一生懸命覚えていました。」と明かした。

　ふたりのトークは盛り上がっていたが、司会から舞台挨拶の終了を告げられ、東山が「40年は自分の人生と比較しても想像ができないほど長い時間。その時間を応援し続けてくださった皆さんがいらっしゃって、最近『マクロス』を知ってくださって新しい仲間も増え続けている中、この『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』という歴史に残る大事な作品を皆さんと観ることができて嬉しく思います。これからも『マクロス』の魅力を沢山の方々に伝えていけるように頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。」と挨拶し、「40年を迎えましたが気がつくと50年なってしまうくらい連綿と続く『マクロス』シリーズをこれからも愛していただければ幸いです。初めて受かったオーディションが『超時空要塞マクロス』です。ですので僕の代表作です。そして皆さんも推しの代表作として『マクロス』を愛してください。ありがとうございました。」と速水が舞台挨拶を締め括った。

 

　40年の時を超えて新たに4Kリマスター化された『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』を劇場の大スクリーン・大音響で体感していただきたい。

（Photo by 川島彩水）