【マクロスΔ】「ワルキューレ FINAL LIVE TOUR 2023 ~Last Mission~」ついに最終日を迎えたライブレポート大公開!全6公演の写真を100点以上収録 ライブメモリアルブック予約受付中!
5月20日から始まったワルキューレのファイナルツアー。東京、大阪、そして追加公演となる幕張メッセまで、3会場6公演、3週間に渡って、ワルキューレは“女神の歌声”をファンへ届けてきた。日替わり曲やメドレー合わせて、「ワルキューレのバースデイソング」以外の全楽曲をツアーを通して歌うという最高で最強のセットリストを実現させ、しかも本番は、瞬間完全燃焼で、1公演1公演、本当に燃え尽きるまで歌いきり、最高のライブを届けてくれていた。まさに、ワルキューレの8年の活動で積み上げてきたものすべてを捧げたツアーだったと言えるだろう。そのファイナル公演、幕張Day-2。4時間を超えたライブの模様をレポートしていきたい。
Day-2は『マクロスΔ』の主人公 ハヤテ・インメルマン(CV.内田雄馬)が影ナレを担当。開演前に「最後まで最高の風吹かせような!」と会場を煽ると、観客が湧く。壮大なBGMが流れ大地を揺さぶりファンの気持ちを高めると、どこからか風の音が聞こえてくる。
ステージにハインツ・ネーリッヒ・ウィンダミアの歌担当メロディー・チューバックが現れ、「オーラ・サーラ ~光る風~」を歌っていく。その美しい歌声は会場を包み込み、観客もその神々しさに息を飲みながら白いペンライトを揺らしていた。歌の後半はステージに炎が灯り、ライブの始まりを告げる。
暗闇から静かに始まったオープニングムービーにフレイア、美雲、カナメ、レイナ、マキナが登場し観客を沸かせる。草原を駆ける彼女たちとΔ小隊が一緒にラストミッションに前向きに挑む姿は今回のライブを象徴する壮大な物語となっていた。新規に作られた次曲のイントロと共に、映像がフェードアウトすると、そこにワルキューレの美雲ΔJUNNA、フレイアΔ鈴木みのり、カナメΔ安野希世乃、レイナΔ東山奈央、マキナΔ西田望見が横並びに立っている。まずはデビューシングルから2曲を披露。いきなりの「一度だけの恋なら」にどよめきが起き、美雲ΔJUNNAも声の限りに歌い上げていく。幕張の大きな会場に張り巡らされた花道とミニステージに5人が散らばっていくと、メンバーの周りにはメンバーカラーのペンライトが灯り、会場が5色に彩られる。そして、センターステージに5人が揃うと「泣いても笑ってもラストミッション! みんな準備はいいんかね!」とフレイアΔ鈴木みのりが叫び、彼女がメインボーカルを務める「ルンがピカッと光ったら」へ。久々の声出し可能のライブとなった今回のツアー。数年のブランクがあっても彼女の煽り上手なところはまったく変わらない。「Wow Woh」と叫ぶ観客に“まだまだきっと声出せる!”と歌詞をアレンジし、煽りまくる。4人も花道から観客を盛り上げ、ボルテージが上がっていく会場。最後は5人でジャンプをしまくり、〈ゴリゴリアタック!〉と声を合わせて、心をひとつにする。
最初からアクセル全開で飛ばしていくワルキューレは、まったく止まる気配を見せない。続く「破滅の純情」では、観客もさらに一段ギアが上がったかのような熱狂ぶりだった。美雲ΔJUNNAが何度も何度も〈純情!純情!!〉と叫び、ロングトーンでエモさを出し、魂の歌を響かせる。かと思えば、レイナΔ東山奈央が〈「好・き・よ」〉を“「大好き」”にアレンジし、観客のハートを撃ち抜く。そして、無数のレーザーが飛び散る中、ワルキューレも5声が重なる歌のビームをステージから放った「絶対零度θノヴァティック」。クールなカッコよさがある曲だが、ダンスにアレンジを加えていたり、歌にニュアンスを入れたりして、ライブならではの魅力を付加していく。
キャラクターでのMCで、会場とライブビューイングのファンへ挨拶をする。そして「銀河のために」(マキナ)「誰かのために」(レイナ)「いま、私たち」(フレイア)「瞬間完全燃焼」(美雲)「命がけで楽しんじゃえ」(カナメ)、「ゴー! ワルキューレ」という決め台詞を繋げて披露したのは「チェンジ!!!!!」。フォーメーションダンスと5人の個性的なボーカル、そしてコーラスの美しさ……改めて、この5人のバランスの良さを再確認した。
バンマスを務める西脇辰弥のピアノソロで一度クールダウンすると、再びライブのオープニングのようなイントロが流れ始める。「歌は生命!」(カナメ)「歌は愛!」(レイナ)「歌は希望!」(マキナ)「歌は神秘!」(美雲)「歌は元気!」(フレイア)というキャラクターのセリフのあと、今度は後方のステージに出現したワルキューレが「唇の凍傷」を歌っていく。すぐにトロッコに乗り込むと、『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』で、観客の上空を滑っていくアイススケート演出を思わせるかのように、トロッコで会場を疾走していく。ソロで歌を繋いでいき、離れた場所から5人で声を重ね、最後は限界を超えていく感じがたまらない。さらに「いけないボーダーライン」では、美雲ΔJUNNAとフレイアΔ鈴木みのりがソロを熱唱。5人それぞれ、歌っていないときはトロッコから手を振り、会場のファンと目を合わせていた。この楽曲では、間奏で黒田晃年と外園一馬のツインギターが銀河争奪バトルを始めるのだが、ワルキューレライブ初となるツインギターも、この日の見どころのひとつになっていた。「Walküre Attack!」では、バラバラのところで歌を届けていた5人が、センターステージに集まってくる。メインステージで歌っていた美雲ΔJUNNAが、最後にセンターステージまでの花道を駆けていくのだが、フレイアΔ鈴木みのりがそれを受け止め抱きしめる。終盤は背中合わせになって、歌を全方向へと届けていった。
静寂のあと『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』から、メッサーとカナメの映像が流れる。新規で録り下ろしたカナメからメッサーへのメッセージを受け取り、こちらも新録された「歌ってくれ、カナメさん 歌ってくれ、ワルキューレ」というメッサー(CV.内山昂輝)のセリフで始まった「AXIA ~ダイスキでダイキライ~」は、カナメΔ安野希世乃が命の歌声をメッサーに届くように歌い、4人がそれを支える。スクリーンで展開されるメッサーと白騎士キースの壮絶な対決を見守るカナメΔ安野希世乃。そしてメッサーの最期……。「GIRAFFE BLUES」は、美雲ΔJUNNAとフレイアΔ鈴木みのりがメインで歌い、途中でカナメΔ安野希世乃が加わる、アニメに沿った演出で感動を誘う。その後バンドがアウトロを演奏し続けていったのだが、バンドメンバーそれぞれの魂のこもった演奏に、心が震えた。
雰囲気が一転し、今度はYami_Q_ray(ヤミキューレ)のターン。センターステージの上方のリングからスモークが噴射され、そこに現れた闇雲ΔJUNNAが「Glow in the dark」を熱唱する。静かに始まり大胆に展開していくエモーショナルなナンバーでグイグイと観客を引き込んでいく。ステージで円になり内側を向いて歌い踊る5人を、ステージの中央からのカメラが捉える。感情を振り切ったメンバーの表情をスクリーンに映し出す演出がカッコいい。さらに「Diva in Abyss」へ。5人の歌が複雑に絡み合い、時に重なっていく難易度の高い曲だが、“堕天使の歌”を完璧なパフォーマンスで披露。Yami_Q_rayラストは「綺麗な花には毒がある」。花道やミニステージで座り込んだり、闇マキナΔ西田望見に関しては、寝転んで歌ったり、自由気ままな無邪気さに、狂気すら感じる最高のステージだった。
再びハインツの歌声が響き渡る。メロディー・チューバックが「ザルド・ヴァーサ!~決意の風~」を、長い花道を歩きながら歌っていく。戦いを予感させる楽曲からワルキューレの新たな戦いも始まった。
マクロスエリシオンの発進映像とともに、白いドレスに身を包み、女神のように美しくなった5人がメインステージに降り立つと、炎が吹き上がる中「ワルキューレがとまらない」を歌う。ソロを楽しそうにニュアンスを入れて歌っているのが印象的だった。その勢いのまま〈いつかこの声が果てるその日まで 歌うよ〉という美雲ΔJUNNAのシャウトから始まった「ワルキューレは裏切らない」。力強い五重唱で、5人が声を振り絞っていく。そんなワルキューレを後押しするように「オイ!オイ!」とコールをし、力を送り続ける観客。両者の間にも強い絆が生まれ、「ワルキューレはあきらめない」へ突入。〈あきらめない〉と何度も何度も繰り返す歌だが、絶対にあきらめないからこそここまで来たワルキューレを象徴するような歌だ。みんなで力の限り、声の限りに歌い切り、そして踊り切った。このブロック最後は「未来はオンナのためにある」。花道でソロのダンスを繰り出したり、ここでは5人の楽しそうな姿も垣間見えた。
ほとんどノンストップで突っ走ってきたライブ。キャラクターによるMCで、「ゴー!」「ワルキューレ」のコール&レスポンスを繰り返しテンションを高めていくと、ラスト2曲へ。「Absolute 5」を後方ステージで披露。息の合ったダンスで、誰ひとり欠けても成り立たないワルキューレの全力パフォーマンスを見せつけると、「思い残すことなく楽しみましょう!」とフレイアΔ鈴木みのりが叫んで、本編ラストは「ルンに花咲く恋もある」を、トロッコに乗りながら、会場中に届けていく。ツアー開始当初から「さよならではなく、ありがとうを伝えるライブにしたい」と約束していたが、観客の近くまで行って、歌とありがとうの気持ちを届けていた。そしてこの日最高の演奏をしてくれたバンドメンバーを、誇らしげに紹介。ここにも大きな絆があることが伝わってきた。
アンコールは、これまでTシャツになっていたが、ファイナルだけは着替えずに、白い衣装に髪飾りとしてヴェールを付けて登場し、アルバム「Walküre Reborn!」のソロ曲を中心としたメドレーを歌っていく。美雲ΔJUNNAの「無限大DRIVE」からフレイアΔ鈴木みのりの「風は予告なく吹く」。歌謡曲調の「キキワケナイ!」をカナメΔ安野希世乃が歌い、「マダマニア」は、トロッコからマキナΔ西田望見が、念願だった観客と一緒に歌っていく。そしてレイナΔ東山奈央が「キズナ→スパイラル」で内にある熱い気持ちを届ける。
そして、フレイアΔ鈴木みのりによる「愛してる」。この曲をウエディングドレスを着て歌ってほしかったのだと思う。花道がヴァージンロードのようで、彼女も歩きながら手で飛行機にしたり、おでこにルンを作ったりして、ハヤテとフレイアを想いながら歌っていく。そして最後の〈愛してる〉は、ワルキューレのメンバーへ向けてのものだったのだろう。
最後のMCでは、キャラクターではなく個人として、それぞれが思いの丈を涙ながらに話していく。安野希世乃は、アニメスタッフ、ワルキューレチームへありがとうを伝える。中でもバンドメンバーへ「あなた方なしには、ライブの歴史は紡いでこれませんでした」と大きな感謝を言葉にする。「解散でも卒業でもない。一生私たちはワルキューレです」と、ワルキューレへの特別な想いを口にした東山奈央は、少しだけ寂しいけど同じくらい幸せだと気持ちを吐露する。メンバーひとりひとりへ、熱い想いと愛とありがとうの気持ちをたくさん言葉にした西田望見。彼女がいたからワルキューレの絆はどんどん深くなっていったのだと感じる。そしてJUNNAは、ワルキューレに、そして『マクロスΔ』に出会えた感謝を語る。そして何より歌と声で一緒に美雲を作り上げてきた声優の小清水亜美へありがとうを伝える。泣きじゃくりながら話す姿はデビュー当初とあまり変わらない感じもして尊い。最後に、鈴木みのりがフレイアへの想いを語っていく。「愛してる」で歌詞が飛び、同じ歌詞を歌ってしまったことを打ち明ける。その歌詞が〈特別な女の子に私を変えたのは あなただった〉で「フレイアに伝えたかったんだな、私と思った」と語る。そしてファンの声援でここまでこれたことは、『マクロス』の長い歴史の中でも、『マクロスΔ』が一番誇っていいことだと力強く言う。
MCのあと、フレイアΔ鈴木みのりが花道を歩きだすと「りんごのうた」をアカペラで披露。「ALIVE~祈りの唄~」は、5人で寄り添いながら歌っていき、会場のみんなで「ラララ」の大合唱をして、最後は5人で〈ーー心から愛してる〉と歌う。「宇宙のかけら」では、終盤に5人で顔を見つめ合いながら声を重ねていくのが感動的で、5人で一度固く抱きしめ合い、最後は背中合わせになって、手を取り合いながら歌い終えた。
ここでライブが終わったのかと思いきや、イントロが流れて観客がどよめいたのが、1stライブではオープニングナンバーだった「恋! ハレイション THE WAR」。MCでも、ワルキューレは、この先の未来に結成されるユニットだと話していたが、これが終わりではなくワルキューレは銀河のどこかで歌い続けていると信じさせてくれる楽曲で、『ワルキューレ FINAL LIVE TOUR 2023 ~Last Mission~』を締めくくった。
この公演の最後には、『マクロス』シリーズ新作アニメが制作決定し、アニメーション制作をサンライズが担当することが発表された。『マクロスΔ』そしてワルキューレは、ここで正式にバトンを託したことになる。次にどんな驚きが待っているのか、それも楽しみにしていたい。
全公演、「全曲がクライマックス」を合言葉に、瞬間完全燃焼で命がけで楽しんだ、東京・大阪・幕張の全6公演のライブ。その写真を100点以上収録し、ワルキューレ全員によるライブ振り返り対談や新規撮りおろし写真など掲載する『「ワルキューレ FINAL LIVE TOUR 2023 ~Last Mission~」ライブメモリアルブック』の発売も決定! まだしばらくの間はこの余韻を感じていたい。
Text by 塚越淳⼀ / Photo by 川島彩⽔ 冨⽥味我 VictorNomoto
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『マクロスΔ』戦術音楽ユニット"ワルキューレ"単独ラストライブのメモリアルブック発売決定!
東京・大阪・幕張の全6公演のライブ写真を100点以上収録!
さらに、ワルキューレ全員によるライブ振り返り対談や新規撮りおろし写真など掲載予定!
詳細は随時公開して参りますので、お楽しみに!
■「ワルキューレ FINAL LIVE TOUR 2023 ~Last Mission~」
ライブメモリアルブック
価格:4,950円(税込)
サイズ:A4変形 80ページ