『MACROSS 7 BASARA EXPLOSION 2022 from FIRE BOMBER Supported by SANKYO』@Zepp Yokohama 1月9日公演 公式レポート公開!
「マクロス」シリーズ40周年を記念し3会場4公演にて開催する『MACROSS 7 BASARA EXPLOSION 2022 from FIRE BOMBER Supported by SANKYO』。
初日、2022年1月9日(日)にZepp Yokohama公演が開催された。
本日発表された1月28日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)公演のライブ配信も楽しみにしていただけるよう、今回は曲名をなるべく出さずに、Zepp Yokohama公演の模様をお届けする。
オープニング映像終了とともに、バサラギターの轟音が会場中に響き渡った。熱気バサラが「ファイアー!」と煽り、最後に「俺の歌を聴けー!」と叫ぶと、ライブがスタートする。ボーカル&ギターの熱気バサラ 歌担当 福山芳樹をサポートするのは、ドラム 麻生祥一郎、ベース てつろう、キーボード PONCHANで構成されるF-BAND。熱い歌声と4人の分厚いロックサウンドをぶつけると、観客もクラップや拳を上げて応える。
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「歌バサラの福山芳樹です」と挨拶し、みんなの思いを受け取り、それを歌に乗せて銀河中に届けると宣言すると、FIRE BOMBERの名ロックナンバーをどんどん投下していく。声を出さずにいることが、こんなにも大変なことなのか、というくらい気持ちを昂ぶらせる熱い曲ばかりだったが、観客のぶんも福山が全力でシャウトし、歌ってくれているのがひしひしと伝わってきた。
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何よりすごいのは、激しく歌いながら、ギターのリフもソロもバッキングも全部自分で弾いてしまうことだ。ギターソロではアドリブもたっぷり入れていたので、1曲1曲が音源とは違う、このツアーでしか聴けないものになっている。疾走感溢れる曲から切ない泣きのギターを聴かせる曲まで、本当に表情豊かだし、とても1人のギタリストで表現しているとは思えない音の厚みもあった。もちろんそれをしっかりと支えるドラムやベース、さらに上モノとして、キーボードの存在も大きかったが、歌バサラ・福山の凄みを存分に感じることができた。
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また、『マクロス7』を感じさせてくれるのが、曲間の短いMCを熱気バサラ(CV.神奈延年)の声で届けていたり、『マクロス7』のアニメ映像をバックに歌う曲があったりしたのも印象的だった。
アニメではあまり流れなかったレア曲として披露されたのが「SPIRAL ANSWER」。色気のある演奏と福山のソウルフルな歌声が会場中に響き渡り、生で聴く迫力を感じることができたし、改めて隠れた名曲だと感じた。
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さらにこの日スペシャルだったのは『歌マクロス スマホDeカルチャー』(iPhone/iPad、Android端末に向けて配信中の超時空リズムゲーム)のバサラの演奏に合わせて、『マクロス7』のOPテーマ「SEVENTH MOON」を歌うというコラボが実現したことだろう。普通は演奏を映像に合わせるものなのだが、「クリックを聴かずに演奏しているから、映像のほうを僕らに合わせてもらうことにしました」と言っていたのが、ライブ感を大事にする福山らしくて面白かった。ピッタリ合ったことがないとも言っていたが、それでも後ろでいろいろな衣装で歌うバサラの熱いパフォーマンスを見ながらこの曲を聴けたのはスペシャルなことだった。
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アコースティックタイムでは、『マクロスΔ』のワルキューレのロックナンバーを歌謡曲調にして弾き語りをしたり、熱気バラサ役のゲスト神奈延年を招き入れて、思い出トークを繰り広げたり、ゆったりとした時間を楽しむ。2人のトークでは、心残りがあったという神奈が福山のギター演奏に合わせてアドリブで歌ったとあるシーンの話に……。今回、そこでのアドリブ曲を改めて作り直し、2人で歌うというのは、嬉しい一幕だった。そのあとは、2人でしっかりデュエットを届け、ライブは後半戦へ。
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後半も熱い歌を全宇宙に向けて歌い続ける福山。「『マクロス7』のために僕が書いた最初の曲です」と言って歌ったのは「MY SOUL FOR YOU」。静かに始まり、徐々に音が重なっていくアレンジで、その演奏の熱に合わせ、どんどん熱く、魂を燃やしながら歌っていく姿は感動的だった。
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ある曲ではピアノと歌だけになり、声は出ていないのに、まるでシンガロングが聴こえてくるようなシーンがあったり、観客が拳を突き上げて激しく盛り上がる曲があったり、ステージとフロアの心と心で繋がっているのを強く感じた。
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最後のMCで「歌いながら歌詞を噛み締めていると、ずっと前向きな人なんだなと思いました。皆さんが熱気バサラを応援する理由がすごくわかりました」と福山が伝える。そしてアンコールラストの曲を高らかに歌い、大きな感動に包まれて横浜公演は幕を閉じた。バサラの歌声はいつだってみんなの勇気を奮い立たせてくれるし、元気をくれる。それを体感したライブだった。
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文:塚越淳一
Photo:Takuto.N